【大映】監督 増村保造2【モダニスト】
- 425 :この子の名無しのお祝いに:2008/05/21(水) 12:25:10 ID:nIHdaz59
- >>415
セリフの量でいちばんに驚かされるのは「暖流」。
看護婦たちが噂話をしていると、噂されている当の本人の船越英二が現れる、という場面は凄い。
あまりのスピーディさのせいで看護婦たちが何を喋っているのか一言一句までは到底聞き取れない。
そこに船越が現れると、看護婦たちはそそくさと去る。その間、十数秒しかない。
普通の監督だったら3分くらいはかけてしまう場面だろう。
当時の映画雑誌を読んだら、脚本の白坂依志夫がエッセイで、
「“映画は映像で見せるものだからセリフは極力削るべき”などという考え方は古い」
と書いていたんでビックリした。
セリフで説明するのは古い、というのが常識的な考え方なんだろうけど、まるで逆のことを言っている。
しかし考えてみれば、映画は無声映画から始まったんだから、「映像で説明する」ことの方が古いのは確か。
この考え方に沿って、白坂脚本&増村監督の作品の登場人物たちは喋る喋る。
時には主人公が「つらい」だの「苦しい」だのと、自分の気持ちをセリフで直接言ってしまう。
TVの2時間ドラマでも有り得ないダイレクトさ。
TVの2時間ドラマでは主人公のつらさ苦しさを描けばそれでおしまいだけど、増村作品ではそれは通過点に過ぎない。
だから主人公は「つらい」「苦しい」というセリフもさっさと喋って、
物語は、そのつらさ苦しさのさらに奥底にあるものへと突き進んでいく。
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